AWS Global Acceleratorを利用して国外からのブログアクセスを改善してみた
はじめに
AWSチームのすずきです。
re:Invent2018で発表されたGlobal Accelerator、AWSの最適化されたバックボーンを利用して、 世界各国からAWSへのインターネットアクセスを改善する事が可能です。
今回、AWS東京リージョンで稼働するブログサイトDeveloppers.IOの 海外からのアクセス性能を改善のためにGlobal Acceleratorを導入する機会がありました。
その効果を海外のWeb性能診断サービス GTmetrix を利用してブログページの性能を測定し、 Global Acceleratorの有無で、配信性能の違いを確認する機会がありましたので紹介させて頂きます。
設定
Global Accelerator
- AWS東京リージョンのALB、TCP80、443ポートをリスナーとするGlobal Acceleratorを設置しました。
- 設定は千葉の記事を踏襲して実施しています。
Route53
Global Acceleratorで発行されたIPアドレス(2組)を、Aレコードとして登録しました。
Routing Policyで「Geolocation」を設定。 日本以外(Default)からのアクセスに対し、Global AcceleratorのAレコードが利用される設定としました。
日本国内(Japan)からのアクセスは従来通りALB(Alias)を利用する設定として、 Global Acceleratorで発生するネットワーク転送費用の抑制を試みました。
測定
下記記事ページを対象にGTmetrix、カナダの診断サーバからの測定を実施しました。
結果
所要時間、2.2sから2.0sへの短縮が確認できました。
東京リージョンのALBから配信されているパス単位の比較では、 ページキャッシュ影響の少ない静的ファイルでも10ms〜50ms程度の配信性能改善が確認できました。
PATH | Size | Global Accelerator有 | Global Accelerator無 |
---|---|---|---|
/etc/mesoko-joined-classmethod/ | 1.2 KB | 360.8ms | 416.9ms |
/static/style.f2fd8.css | 2.1KB | 124.4ms | 137.9ms |
/static/bundle.26202.js | 8.1 KB | 130.2ms | 140ms |
/static/assets/favicon.ico | 14.7 KB | 113.8ms | 132.2ms |
まとめ
安定したインターネットアクセス回線を保有する事と思われるGTmatrixでも、 AWS Global Acceleratorの効果を確認する事ができました。 物理的、ネットワーク的により遠い拠点からのアクセスや、より多くのリクエストが発生するページであれば より大きな効果が期待できると思われます。
ベルリン、バンクーバーオフィスなどでの追試の結果や、発生したAWSコストなどについても 改めて報告させて頂ければと思います。